コミュニケーションの豆知識:
勉強を教える前にすべきこと①
自分と他人は別であるということ
コミュニケーションの基本になるところは、「自分と他人は別である」ということです。 このページをご覧の方であれば「当たり前だ」と感じる人もいるかもしれませんが、 自分と他人の区別が明確ではない子は決して少なくありません。
原因は様々ですが、有力な原因の一つに「他者を気にする必要性が薄い社会」になってきたことが挙げられます。 例えば、以前であれば友人に電話をしようと思ったら、友人の家族がまず電話に出て、 そこから友人に取り次いでもらうという行動(=コミュニケーション)を取る必要がありました。 しかし、現在ではお子さんの中にもケータイ電話を持っている人が少なくありません。 すると、取り次いでもらわなくてもすぐに友人と話すことが出来ます。
他にも、遊びの変化も挙げられます。 昔であれば、友人と遊ぶ(=コミュニケーションする)ことが外での遊びの主なものでしたが、 今では外で遊ぶときにはゲームを持って、外でゲームをする(=コミュニケーションをしない)ことが外での遊びの主なものになりました。
この2つの原因に共通しているのは、コミュニケーションを取る必要性が低くなったということです。 コミュニケーションは他者と自分との折り合いをつけるための行動ですから、 コミュニケーションをすればするほど他者と自分を区別して考えるようになります。 しかし、コミュニケーションを十分にとっていないと自分と他人が別であると認識できる機会が少なくなります。
自分と他人を区別できなくなると、他者の気持ちを推し量ることが出来なくなります。 また、他人からの視点、つまり客観的な視点を持つことが難しくなります。 客観視は勉強の難易度が上がるにしたがって必要度が増してくる能力です。