書籍の紹介:モチベーション3.0
インストラクションが難しくなっている
現在の社会が情報をベースにしているので、 より高度なコミュニケーションを求めています。
例えば、日本は長い間ムラ社会でした。 ムラの中では毎日同じようなことが起こり、外部から人が入ってくることはありません。 そうすると、ムラ社会の中で生きていくために最も重要なのはムラの中の人と仲良く生きていくことになります。 相手の顔色を見ながら話す内容を考えることが重要ですし、 逆に言うとそこさえ考えて話せば大きな問題は起こりません。
しかし現在の情報化社会となると、ムラ社会から状況は一変します。 情報化社会の中では毎日新しい情報が外部から入ってきます。 その情報によって、私たちの生活は大きく変化していきます。 そうすると、情報化社会の中で生きていくために最も重要なのは情報を編集する力になります。 これは、その情報を具体的に頭に思い描くだけでなく、 その情報から何が分かるのかを連想ゲームのように考えていく必要があるのです。
また、情報化社会の中では「情報が無い」というのも一つの情報です。 なぜその情報が無いのかを連想ゲームのように考えていくことも必要となっていくのです。
そのように考えると、現代はインストラクション、 つまり相手に指示を出すことが簡単ではなくなっていることに気がつきます。 状況がどんどん変化することを頭に入れて指示を出すわけですから、 「あれをしなさい」だけでは十分ではない場合が多いでしょう。 指示を出しても伝わらない理由は他にもたくさんありますが、 指示通りに周りが動かないときに「なぜ動かないんだ」と言ってしまう前に 自分の指示は本当に的確だったのかを考えることが必要かもしれません。