向上心を持つための具体的な方法~生理的欲求~
食はすべての基本
私の友人に、両親と生き別れ、たった一人の身内を高校生のときに亡くしてしまった方がいます。 その時はたいそう悲しんだんだろうと思いましたら、全く悲しくなかったそうです。 その方いわく、「それどころじゃなかった」そうで、 「明日からどうやって食べていったらよいのかと、途方にくれた」そうです。
食というのは、人間の最も根っこにある欲求です。 食を満たしてこそ、他の欲求が出てくるものですし、人間らしい感情が生まれてくるものです。 食は、人間としての基本ともいえます。
主食を生かすためにはおかずが重要
朝食を食べることと成績の関連性は、アメリカでも研究されています。(※1) 最近では研究がさらに進み、朝食の中身についての研究もされています。 その結果をご紹介しましょう。
日本で、朝食と成績との関係を調べる実験が行われました。 朝食を食べない生徒と主食のみを食べる子、そしておかずも食べる子に分けて、 合計3つのグループに分けて調査した結果、 朝食を食べない子と主食のみを食べる子の成績の差はほとんど無く、 主食のみの子とおかずも食べる子の成績の差がかなり大きかったという結果が出たのです。(※2)
つまり、成績を上げるためには、しっかりとした朝食を食べることが条件の一つになっているのです。 確かに、主食は頭を動かすブドウ糖に変化するので重要なのですが、 そのブドウ糖を届けるためにはさまざまな栄養素が必要だということなのです。 よく「一日30品目食べなさい」と言いますが、そこまでは無理でもより多くの種類のものをバランス良く食べることで、 効率よく頭に栄養を届けることが出来るのです。
川島教授は頭に良い朝食の献立の例として、ごはん、豚汁、納豆、サラダを挙げています(※3)。 川島教授によると、主食からブドウ糖を効率よく吸収するためには、ビタミンB群と必須アミノ酸が重要とのことです。
もちろん、これは子供に限った話ではなく、大人も同じです。 朝食を食べないと、午前中の集中力や知的作業効率は著しく低い状態になってしまいます。 会社での仕事も、家事も共に知的作業です。 家族のみんなが朝食を食べる習慣を持つことが、家族にとっても重要なのではないかと思います。