心理学の豆知識:向上心を持つために必要なものとは
向上心とハングリー精神は違う?!
向上心とハングリー精神は全く違うものだと私は考えています。
ハングリー精神とは、ハングリー、つまり「足りない」と感じることからスタートします。もちろん、足りないと感じるだけではダメで、「足りないからもっと欲しい」と感じることで、初めて行動する力となります。
戦後から高度経済成長期にかけての日本は、足りないものだらけでした。そのような状況では、全員ではないにしてもハングリー精神が出てくるのは当然だったのではないでしょうか。
一方、向上心とは「もっと欲しい」と感じることからスタートします。現状が足りないと感じているかどうかは全く関係なく、むしろ精神的には満足している部分が大きい状態で「もっと欲しい」と感じていて、その気持ちが行動に結びついているのです。
ですから、向上心とハングリー精神とでは、結果として同じ行動を取るのですが、スタート時の心理状態には大きな差があります。
この差は、後々大きな差となって現れてきます。ハングリー精神から始まった行動のほうが、向上心からより明らかに続かないのです。ハングリー精神から始まる行動が続くこともありますが、それはハングリー精神から始まった行動が向上心に結びついた例で、多くのハングリー精神は、足りないという気持ちが満たされると行動を止めてしまいます。
一方、向上心から出た行動は最初から「もっと欲しい」という気持ちからスタートしているので、そもそも満足するという状態にはならず、行動に終わりがありません。
お子さんの中には、ある程度の点数に達すると勉強を止める子がいますが、これは正に「ハングリー精神」で勉強しているからです。向上心で勉強していれば、そもそも「安心する」なんていうことはありません。
では、どうすれば、向上心を持つことが出来るのでしょうか?